築年数不詳、何年も空き家だった木造2階建ての住居兼下宿アパートを「カリアゲ」した事例です。
建物は元・水路に面しており、公道ではないため建て替えができない「再建築不可物件(※)」でした。放置を続けて劣化が進めば建物倒壊のリスクがあり、放火による火災などのリスクもあります。とはいえ、改装して再生するには大きな費用がかかることから、オーナーは「カリアゲ」を希望。借主はリノベーション会社のルーヴィスです。
基礎がなく、土台も柱も腐り、家自体が斜めに傾いていました。建物をジャッキアップして持ち上げ、基礎を作り直し、新たな土台と柱を挿入。ほか、屋根の張替え、断熱化、床の遮音など、住宅として必要な機能を盛り込みました。この物件は、ルーヴィスが「カリアゲ」た上で賃貸住宅としてサブリースする契約を交わしており、内装は合板で仕上げ、原状回復義務なしで入居者が好きにDIYしていけるようにしています。
※「再建築不可物件」… 建築基準法第42条にある「幅4メートルの道路に土地が2メートル以上接している土地でないと住宅が建てることができない」という接道義務を満たさないため、建物を取り壊しても新たに建物を建築することができない物件のこと。
所在地:東京都目黒区下目黒
建物構造:木造
建物規模:2階建て(カリアゲ後:2戸)
借主:株式会社ルーヴィス
企画:株式会社ルーヴィス
設計:畠中啓祐建築設計スタジオ 設計担当/畠中啓祐
施工:株式会社ルーヴィス 施工管理/玉木千裕
(撮影:株式会社ルーヴィス)
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